■AKAONI-YA/赤鬼屋






雪解けのぬかるみに
すそからげ 刻み足
赤い暖簾の うどん屋は
屋号を 赤鬼 奇遇なり
主のつらに覚えあり
こいつ 手前を忘れたか
一見客に 愛想よし


板壁の品書きは
クセのある筆遣い
たぬき きつねで 思い出す
その名もたつきち 下総の
盗賊一味の 下っ端が
調子づいての 殺しまで
はがしてやろうか 化けの皮


悪党が眼の前じゃ
食いものが まずくなる
老舗うどんが 泣いてるぜ
手前に気づいた辰吉が
いきなりドスを抜きやがる
世話がねえやな 覚悟しろ
貴様の首飛ぶ ときが来た