みずどりのみず 2/2
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幻影はぬれて重い。ちいさな頭部が下向き、水鳥は嘴から炸裂す る。それから実体の緩慢な下降がはじまる。空間の開眼が水鳥を呑 む。射程距離での恍惚が翅を静止させる。意欲はいま地上の銃口と 合致している。