くらげの椅子


くらげのいすになりたいひるだな
くらげをすわらせ
おまえは これみよがしに
寒天みたいなものを
おもちゃのフォークでつつくのさ
寒天はぷるぷる
くらげもぷるぷる
かわいい目をして
おれたちをみている
こいつはひょっとすると
おれたちの子じゃないか
なんておもわせるのだ
宇宙人みたい?
おれたちだって 宇宙人さ

だれかを待っている顔つきの
いすになりたい
半透明の白いいすになって
くらげをすわらせ
おまえは寒天にフォークをつきさす
だれにも痛みをかんじさせないようにね
それがおれののこりのくらし
希望のくらし

ひなたにおけば そのうち
くらげもいすもかわいて
やすもののビーチパラソルみたいに
そこいらにころがるだろう
風がさらって いずれ
うみどりの巣になるかもな
おまえはそれからも
そうしていつまでも
寒天をつついて
つめまでぷるぷる赤い
くらげになりな