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掻っ切るぜ

■和尚と女房とレンコン料理■掻っ切るぜ

作詞/オーディオ編集:K.SichiRi


●和尚と女房とレンコン料理★Folk-Rock






ハアー 山門は 百日紅が
燃えている
赤いほのおが うずをまく
袈裟をまとった和尚さんが
スポーツバイクに またがって
燃える山門くぐり抜け
檀家の法要 お出かけさ

ハアー 和尚さんが 袈裟の袂を
なびかせりゃ
百日紅の 火がついて
なんてこったい 和尚さんは
バイクもろとも 火だるまさ
走る 風切る 田舎道
焦熱地獄だ ナンマイダ

ハアー 女房は 離れの暗い
キッチンで
和尚のバイクが 田舎町
突っ走るのを 聴いている
まるで火の玉 飛ぶような
まるで怨霊 飛ぶような
めまいでフラフラ ひざをつく

ハアー 法要を やれつつがなく
かたづけて
お寺へ帰る 和尚さんは
檀家のかみさん 押しつけた
レンコン十本 積んできた
極楽浄土の ハス料理
毎日つづけば 地獄だろ






ハアー ありがたい けれどレンコン
どう調理
お堂の裏のキッチンで
女房しばらく立ちつくす
煮物 揚げ物 酢の物か
ちょいとレシピをのぞこうか
パソコン開いて スイッチ オン

ハアー 検索を すればびっくり
仰天だ
なんと八十八レシピ
つぶさにたどれば 何日かかる
料理している暇がない
燃える山門 百日紅
女房めらめら 燃えだした


動画:FC2動画YouTube

●掻っ切るぜ★Hip-hop





寒い季節にビワの花が咲き、
寒い季節にビワの花が散り、
ビワの毛皮が残る。
ふかふか毛深いビワの毛皮。
ビワの毛皮を毟ったカマキリが、
ビワの毛皮を羽織って森をゆく。

「やあ、カマキリ君。
おめかしして、どこへ行くんだい」
森の虫けら連中が、
冷やかし半分、声をかける。
かんがえてもいなかったことを
カマキリはつい口走る。
「旅に出る」
「旅って、どこへだい?」
「さあね」
「さあねってどこさ。どんなところだい」
カマキリは答えた。
「おれも知らねえよ」

「なにかの役に立てろよ」と、
仲間が札束を差し出した。
「いきなり札束かよ。受けとれねえよ」と、
カマキリは見栄を張る。
(札束はほしい。のどから手が出るほど、
ほしい。ひったくってでも、ほしい)
「餞別なんてしゃれてないで、
せいぜいみんなでよろしくやってくれ」
といえば
「おいおい、こいつあ、とんだごあいさつだ
ぜ。シャレで餞別くれるってやつが、どっか
にいるのかい。心づくしの親切てえもんがわ
からねえ、馬鹿野郎だぜ、おまえは」




「もっともだ。わるかった。それでそっちも、
おれにくれる理由がなくなったってもんだろ
う。おれは馬鹿野郎さ」

おまえひとりで納得してろ。

★
(ビワの毛皮は、盗んだんだろう)
カマキリはだれかがつぶやいたような気がし
て、冷や汗をかく。
毛皮を着ているのに、寒気がする。
いそしそと歩き出すカマキリのせなかで。
森がざわつく。
★
あいつ、森を出る前に
あの世行きだぜ。
札束ほしくて、
のどから手が出かかっているのを、
みんな、見ただろう?
あいつの手はカマだぜ。
あいつは自分のカマで、
のどを。のどを。のどを。のどを。
あああ……

か、か、掻っ切るぜ。





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