そして冷却するために 地獄へ通じるドアをひらく 寒々としたともしびが わが河のおもてにこぼれ 白い息をうつむかせてやってきた客のしめっぽい手を おれは声もなく握りかえす ぬれたままでいてくれ 火がつかぬように 火照ったおれの爪先はすでにすぼまり 闇の底の水を吸いはじめている