悪事を語るわれらに快適な場所



悪事を語るわれらに
くつろげる場所があるとすれば…
 どこだ…
椅子にからみついた
たくらみ 手足 まるで
砂の上の植物さ

日暮れになればこのくにの
山川草木 朱に染まり
悪事を語る秘密の椅子も
めらめらと燃えて灰になる


悪事を語るわれらに
お似合いの花が咲くとすれば…
 いつだ…
あわい色と香り
やすらぎ招くふりで
砂を喰らう悪の花

足跡すべて 消し去って
世界を更地にできるなら
われらはだけど やせさらばえた
 立ちつくすだけのロバなんだ


悪事を語る場所さえなくて
悪事を語る夢さえなくて
立ちつくすだけのロバなんだ