■雨恋びとよ






あじさいを訪ねれば
釣鐘堂は花の上
雨恋びとは傘ひとつ
糸ひく雨とふたりづれ

 
むらさきのはなびらは
問わず語りがつやめいて
涙をためた石畳
むかしの痛みにたえかねて


ひと誘い ときめかせ
移ろう色の惑わしく
雨恋びとは 傘とじて
そらにルージュの 虹を見る