ひとそれぞれの駅がある
心の奥に駅がある
立ち枯れヒマワリ 壊れたおもちゃ
遠いあの日の日向の匂い
ふだん着 はだかの駅がある
ヒュルヒュル流れる口笛は
ひとふで書きの旅人さ
小さいけれど駅がある
かじかむような駅がある
切符は枯れ葉の重さのままに
世間話の改札ぬけて
夢の列車に乗るもよし
ホームでたたずむだけもよし
百年 孤独で 立ちつくせ
想い出燃やす駅がある
あしたにつなぐ駅がある
旅立つときが いつでも始発
地図は要らない あてなし 手ぶら
獅子座の遠吠え聴きながら
琴座の風を呼ぶような
ひとふで書きの旅人さ