あなたに見送られ わたしは雨になる 見送るひとの 涙の雨になる 憎んでも 愛しても ここで想いはいきどまり 岸も見えない 寒の川 あなたに背を向けて わたしはみぞれ橋 さむざむ渡る 思い出つれていく うしろ髪 ひかれては 雪をいただく枯れ葦に 舟をさがして またまよう 墨絵の雪景色 切り裂く舳先には 琥珀のいろに 鳥さえ凍えてる 知りそめた日に帰る 羽があるなら 寒空を 夢のあなたへ 飛んでいく