薄暮岡堰

 

                                                                                                        撮影 2008.1.3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                  ときに、ゆうぐれ
                                  大気がひときわかがやく一瞬がある
                                  こわれかけたものが
                                  ついに最後の瞬間を迎える直前
                                  能力をこえる力を発揮するみたいに。

                                  視界から風景が消える
                                  いっさいの物音が消える
                                  それがあまりにも短い瞬間なので
                                  ひとはあたりまえのように樹など見ており
                                  あたりまえのように鳥のこえなどを聞いている。

                                  そうして知らず知らずのうちに
                                  夜への心がまえがきまるのだろう
                                  日没のどこかで。 

                                  夢のかたちをととのえて
                                  ものたちが あすへの秤に
                                  そっと身をのりだすひとときである。