大男 わすれない岸辺で おおおとこに会った 夕陽のようなまなこが さだまらないふたつ 「許した」と かみなりよりも遠い声でいった ハンマーひとつで 許せるなにがあったか おれはしらない だが じつにほらあなのような おおきなおとこだった 「どこか 釘でも打ちに いくよりしかたがない」 おおおとこは ふりむきもせず あの川をまたいで行った