手料理

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 手料理


おれの想う肉に
水がたまるまで
おれの一挙手一投足に
みずごけがはりつくまで
そしておれの休息を
魚どもが喰いつくすまで

きみはあの湖をしめだそうとした森の
はるかな怨念のような炭火を
にらみつけていなさい

おれたちのぶっきらぼうな
虚無の金網を熱くしておきなさい
死臭がたちこめたら
言いたいことがまとまったら
湖に面した窓をあけなさい

生きているきみがなしうることは
そこまでだ

ふりかえった金網のうえで
裏がえされたもの
それはおれの掌のようなもの
きみの鼻と口とを同時にふさぐもの