手料理 おれの想う肉に 水がたまるまで おれの一挙手一投足に みずごけがはりつくまで そしておれの休息を 魚どもが喰いつくすまで きみはあの湖をしめだそうとした森の はるかな怨念のような炭火を にらみつけていなさい おれたちのぶっきらぼうな 虚無の金網を熱くしておきなさい 死臭がたちこめたら 言いたいことがまとまったら 湖に面した窓をあけなさい 生きているきみがなしうることは そこまでだ ふりかえった金網のうえで 裏がえされたもの それはおれの掌のようなもの きみの鼻と口とを同時にふさぐもの