象と逢う朝

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 象と逢う朝




いつかまた象と逢えるのだと
ぼくが生きているばかりに
象のゆめしか見たことがないかあさん
象と象のたわいないあいだで
酔いつぶれるかあさんをしりめに
あらそわなければならない
二頭ぶんのりくつもあるのだ
かあさんの悲鳴はもう一頭の
象のかたちをとるだろうし
三頭の象は鼻をぶらぶらさせて
いるだけだろう
ぼくのむすめがはじめて
象と逢う朝
象とさえつながれていない象とつながれた
かあさんのしわだらけの腹に
千頭の象よりもいたわりぶかい
目をむけているにちがいない
ほんとうの象よ
ほんとうに象なのよと