棒
おれは棒だ
ここで折れろといわれても
ひざのようなものはない
ひたすら棒だ
融通の女々しさとは
共生できぬ
やくざな棒だ
助けを乞われても
つっかえ棒にも
ロープ代わりにも
なれるものか
ましてや まるごと
貸せるわけが
ないじゃないか
一七五・五センチの
やせた棒だ
逆立ちしても
寝っころがっても
ありったけの棒のまま
箸にも棒にもかからない
乾湿不問の棒だ
ときに ひとは
藪から出てきたと おれを
化け物あつかいするが
藪から棒の
いいまわしには ちょいと
興をそそられるとしても
勝手に棒を持ち出すな
むやみにおれに手を出すな
握られる弱みなど
あると思うか
弱みがあって
棒でいられると思うか
棒には
棒しかないんだぞ