輪番制



西陽が低く
光輪をころがしている舗道で
腕立て伏せをしてるのは
どなたかと見れば
プラタナスの葉じゃありませんか
すっかり枯れて
いまからどんなトレーニングも
遅きに失していると
口にしそうになるけれど こらえて
通りすぎようとする
おじゃましてます
と背中へ手形を捺され
天下の公道で慇懃無礼な
だがそっと 靴底をねじり
いやいやべつに
あいまいに返すと
光輪がおれの足元から
腰へ
頭上へぬけて
あしたは かれに代わって
おれが当番の
神らしい