雨と設計士2/2




さっそく雨をあつめはじめた。
あずまやのスレート屋根が鳴る
未着色の芝がぬれ
ごろた石もしめった。

すべてのものの名をながす
という理想をせきとめて
無名設計士の影は
えんぴつ書きのいすと机に
くずれている
かすかな寝息のようなものも
とおからず、とりのぞかれる。