アメリカンでメダカ 1/2
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 アメリカンでメダカ


 釣り用のクーラーボックスと玉網を持って、メダカをすくいにいった。
 玉網は使い古したものだが、長い柄のついたままではバイクにくくりつ
けられないので、少し手を加え、柄を切って、網の部分と、柄と、継竿よ
ろしくつなぎ式にした。
 つなぎの部分はしっかりしたものでなければならない。柄の太さに合い
そうなものを、家のうちそと物色し、ガスを使いきったピストル型のライ

ターをみつけた。火がつくところは筒状の鋼だから、その部分をはずして
竹の棒だけになった柄の先に差し込むことにした。筒が少し太すぎる。筒
をはずして、火のつく部分がついたプラスチックの芯を取り出した。これ
がうまくいった。7センチほどのものを半ばまで入れて、絶縁用のビニー
ルテープを巻きつけた。これがオスになる。

 バイクを小道の片隅に止めて、田んぼ道へ這入っていった。畦道は雑草
がはえ、固いようにみえてじつはふかふかしている。長靴がいいのだが、
アメリカンスタイルのバイクに長靴というのでは格好がつかない、とかっ
てにおもいこんでいるから、ひも付きのカジュアルシューズだ。足先がズ
ブッともぐりそうなところもある。(その印象のせいか、その夜、泥に足
がはまって抜けなくなるという夢をみた)
 しかしそんなバイクにまたがってメダカすくいというのは、はたしてか
っこいいんだろうか。長靴は外見、メダカすくいは行為=メンタルなんて
理屈っぽくいったところで、トータルではそうとう幼稚であることにはち
がいない。

 田んぼの水が流れ込んでいる用水路は、ややにごって、細かな水草の葉
が水面を覆っている。一抹の不安もあったのだが、メダカの群れがやっぱ
りいた。狙いをつけてすくうと、何十匹と網に入った。ただのひとすくい
だ。クーラーボックスの水に網を浸して、小さいのは流れにもどした。十
五ミリくらいのもいる。おなじ大きさに育ったのが群れておよいでいるの
をみるのがふつうで、そんな小さいメダカをこれまでみたことがない。そ
ういう出会いがなかったというのも不思議ではないか。あえてひそかに、
人目を避けて大事に育てられ、メダカの学校に入るのはそれから、という
ことかもしれない。そうして小さいのを十匹ほど引いてもまだ三十匹はの
こった。それでじゅうぶんだ。あっというまに目的は達せられた。

 かたわらを流れる小川の水は、悪臭を放つほど汚い。水田用の水は地下
水をくみ上げているので、田んぼを巡ったあとでも用水路の水は澄んでい
る。細い用水路から太い用水路へ入る。メダカの群れは太い用水路にいる
のだが、ゆるい流れをみていると、ほかに魚がいるような気がしてくる。
フナもドジョウもいるに違いないとおもえてくる。釣り針をおろせば、何
かしらかかってくるだろう。一メートルくらいの幅の流れに釣り糸をたれ
る物好きはあまりいないけれど、やってみたい。けれども、立っていって
深さを透かしてみると、もろくも期待は裏切られた。せいぜい十五センチ