詩篇 兇器L調書 目次




モデルN嬢
髑髏のような恍惚よ
レモンの狂気
羽より軽い埋葬を
神経を除去されたテーブルの上に
家族がそれぞれ射程距離内にいれば
死者が編む籠の中には
回転家族の食卓
発育する死、つまり生鮮な腐敗について
兇器の生成



ひとと称する最悪な事故
《もの》はしばしば威嚇的にしか存在しない
吊るされて腐敗するもの納屋にあり
一撃なり
ひかる納屋、錆びる人
兇器Lについて
みずどりのみず
赤い舟による川下りのイメージ
飛翔欲と飛行の構造
標識《妻殺し》
 あとがき


【まえがき】
 これらの断片は、北海道で起きた妻殺し事件についての見聞を
モチーフにしたものである。ただし、虚構で塗り固めてある。
 1977年の刊行本では、見出しをSECTION1、2…と
してい るが、ここではそれぞれ新たにタイトルをつけている。
                         (2011)